特定天井の定期調査・報告が義務化
一定規模以上の室内空間に該当する“特定天井”の定期調査・報告が義務化されます。
平成27年4月1日より“特定天井”の定期調査・報告が義務化になります。
“特定天井”とは、脱落によって重大な危害を生ずるおそれがある天井として、日常人が立ち入る場所に設置された吊り天井で、
- 天井の高さが6mを超えるもの
- 天井平面の投影面積が200㎡を超えるもの
- 天井の単位面積質量(ある限られた範囲の重さ)が2kg/㎡を超えるもの
の3つの条件全てに当てはまるものを言います(これらは既存建築物にも適用されます)。
その定期調査・報告(改正)の概要は
1改正の概要
(1)調査項目
“特定天井”として技術基準への適合を義務付ける範囲を明確化。(詳細は上記。
従前は、概ね500㎡以上の空間を有する建築物。)
(2)調査方法及び判定基準
“特定天井”が施工時(竣工時)と同等の安全性を確保するため、天井荷重の伝達経路である部材及び接合部の健全性を目視により調査し、劣化及び損傷の有無により判定する。(従前は、概ね500㎡以上の空間の天井における耐震対策の状況。)
2留意事項
(1)調査方法
① 天井の室内に面する側の調査
室内側から目視により確認。(双眼鏡、カメラ等の使用可。)
② 天井裏の調査
次のⅰ)からⅳ)までに揚げる場合に応じ、それぞれに定める方法による。
ⅰ)天井裏にキャットウォーク等の容易に天井裏に入ることができる設備ある場合。
イ~ニに、範囲は目視で確認できる範囲のみで可だが、天井材に結露が生じやすい箇所、段差部又はその近傍等とし、天井材の種別(ななめ部材端金具、吊り材、附属金物、天井下地材・・等)毎に1箇所以上。と規定。
ⅱ)ⅰ)に該当せず、天井にⅰ)ニの調査対象を有効に調査できる点検口がある場合。
イ~ニに、目視によりⅰ)ロからニに準ずる。と規定。
ⅲ)ⅰ)及びⅱ)に該当せず、天井面に点検口以外の開口又は取外しが可能な照明設備等がある場合。
イ~ニに、新たに点検口を設置することが望ましく、ⅱ)に準ずる。点検口を設置しない場合は、点検口以外の開口又は取外しが可能な照明設備取り外して生ずる開口から確認し、ⅰ)ロからニに準ずる。と規定。
ⅳ)ⅰ)からⅲ)までのいずれにも該当しない場合。
イ~ニに、新たに点検口を設置することが望ましく、ⅱ)に準ずる。点検口を設置しない場合は、天井裏の点検を行うことが可能となる措置を講じ確認し、ⅰ)ロからニに準ずる。と規定。
更に、施工に当たっては既存の天井の構造耐力が低下しないよう留意し、天井下地を切断する場合は必要に応じ適切な補強を行うこと。等と規定されました。(従前は、設計図書等により確認するとともに、必要に応じて双眼鏡等を使用し目視により確認する。)
次に
(2)判定方法
① 天井全体についての判定基準
目視により確認できる範囲において判定基準に該当しない場合は、全体について該当しないと判定してよい。
② 劣化及び損傷の判定基準に関する具体的な考え方
天井材の劣化及び損傷の有無の判定は、次の具体例を参照。
ⅰ)天井材の腐食(天井材の著しい錆、天井面の水ぬれ・錆汁による変色)。
ⅱ)天井材の緩み・外れ(ハンガー及びナット等の間の目視可能な隙間、クリップやハンガー等の外れ、天井版止め付けねじの著しいへこみ、吊り材吊元に緩みの生じる損傷)。
ⅲ)天井材の欠陥(天井材の亀裂、破断、天井面の脱落、剥落)。
ⅳ)天井材のたわみ(天井面の目視可能な変形、天井版と下地との隙間、吊り材吊元の変形等たわみを生ずる損傷)。
ⅴ)その他の劣化及び損傷(下地材の著しい曲げ等の変形)。
・・等と、多岐に亘って細かく定められました。
このうち既存建築物のものは増改築の有無等が関係しますが、これらの検討を行う事は非常に煩雑であり労力を伴います。
とは言えこれらの検討は自らの安全・安心を確保するだけでなく、多くの第3者の安全・安心を保障する事にも繋がります。
御社の時間を有効に生かす為にも、社会的な安全・安心を確保する為にも、是非経験豊富な弊社にご相談を。